その中でこの数ヶ月の最近の一押しの本を紹介します。
それは「星の王子さま」で有名なサンテグジュペリの「人間の大地」です。

「星の王子さま」はメルヘンチックなおとぎ話ですが、「人間の大地」はサンテグジュペリの飛行士体験に基づいた実話を中心に構成されています。
それでも根底は「星の王子さま」と同じく人間にとって大切なものはなにかという話がちりばめられています。
逆に言うと、サンテグジュペリがなぜ「星の王子さま」を書いたか、もしくは書くことができたかがわかると思います。
私が「人間の大地」を読みたいと思った、きっかけになった本があります。
三宅香帆著「人生を狂わす名著50」です。

著者である京都大学大学院生の彼女にとって読書は「戦い」だそうです。
いろいろな本を読んで影響を受けて人生を狂わされたそうです(ユーモアのある著者は人生を狂わした本と自分自身に対して、大好きになった男とその男に振り回される女のようなものだと言っています)。
その著者推薦の名著50のうちの一つ「人間の大地」の書評の一部を以下に抜粋します。
彼がエッセイふうに自身の飛行経験や遭難経験を綴った自伝的な一冊が、この「人間の大地」である。私は「星の王子さま」もかなり好きだけど、読んだときの衝撃度合いはこちらが勝つ。読むだけで、サンテグジュペリの空への憧れが胸に迫る。私たちがふだんの生活で感じることができないような風を、抵抗を、美しい景色を、その文章で教えてくれる。
〜あなたの人生を狂わすほどの「憧れ」に出会う一冊。命よりも大事な何かに取り憑かれてしまった人が見た景色とは。〜
上記書評で読みたくなった私はすぐに図書館で借りて読んで、さらに欲しくなって買って今手元に置いています。
私は好きになった本は繰り返し読む癖がありますが、私の本棚のトップ10の一冊になり時折今でも読んでいます。