2017年03月24日

「延命の胃瘻栄養」と「延命でない経鼻チューブ栄養」?

徐々に食事ができなくなり喉元でむせたりゴロゴロしたりして誤嚥性肺炎のリスクが高くなると、医療的には経管栄養の適応があります。
経管栄養とは管(くだ)を通して栄養を直接胃などの消化管に注入する方法で、鼻から胃まで細く長い管を通す経鼻栄養チューブと腹部の皮膚から穴をあけ胃に短い管を通す胃瘻チューブを用いる方法の主に2種類あります。
経鼻栄養チューブは不快感が強く誤挿入や抜けかけた場合での注入による誤嚥性肺炎のリスクが高いことと、胃瘻作成が内視鏡で比較的安全で容易にできるようになったことで、医療関係者の間では胃瘻栄養が一般的で、経鼻栄養チューブを使用するとしても一般的に経管栄養導入期の短期間です。

最近在宅主治医として問題にぶつかることがありました。
経管栄養の適応の患者様はほとんどが正常な判断ができない場合が多く、経管栄養をするかどうかの判断の多くは家族様が行います。
そしてある家族様に経管栄養の適応の話をしたときに「延命は希望しません。だから胃瘻は作りません。でも鼻からの管を入れた栄養注入はして、それを続けてください」と言われたことがありました。
はっきり言い切りますが、胃瘻栄養が延命なら鼻からの管を入れた経鼻チューブ栄養も延命です。
基本的にはどちらも同じものです。
ただしその家族様の感情的な気持ちは理解できます。
おそらくその方の気持ちとしては「胃瘻は身体のお腹に不自然な穴をあけて不自然な栄養注入と考え、感情的に耐えられない」が「体に傷を付けずになんとなく顔(口あたり)から注入をする経鼻チューブ栄養注入は不自然に見えない」のだと思います。

医療は感情的に行うものではないと思いますが、上記家族様の気持ちも大切にするというのも在宅医療の現場ではありだと思います。
ただし、その経鼻チューブ栄養を永続的に行う場合の条件が私にはあると思います。
@ 本人が鼻からのチューブを嫌がらない(チューブを自己抜去しない)
A チューブの誤挿入や抜けかけた時の注入の誤嚥性肺炎のリスクを納得する
B チューブが抜けた時の再挿入を医療者側に直ちに来るように求めない
だと思います。

最終的には患者家族様と医療者側との信頼関係の上で継続可能な医療なので、上記3条件を満たしながら永続的な経鼻チューブ栄養はありだと思いますが、やはりできるだけの長生き(延命)を希望される家族さまは胃瘻栄養の選択をするべきだと思います。
posted by MCL at 08:13| Comment(0) | 院長日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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